「対案」という便利な反論

国会でも地方議会でも、理事者側の提案に反対すると、「対案」を出してくるように、と反論することが多くなりました。確かに、「反対」するだけでは物事が解決しないことは明らかです。

 

しかし、理事者側が法案なり条例案を提案したり、地方議会での事業案を出してきた場合のことを考えてみましょう。理事者側は数ヶ月なり年単位で立案し、その背景には各種の数字や予算組みの基礎資料を持っています。その上、数人での検討は当然ですし、関係者とも情報収集や影響調査も行っているはずです。

 

それに対して、彦根市議会で言えば、提案(名目上の上程日は開会日、実際にはおおむね開会日の3週間程度前に開催される議案説明会という全員協議会)されるまで、提案内容は分かりませんので、議案説明会で趣旨や概要を聞いたとしても、理事者側の立ち位置は、議員が受け取った立場との間で、大きな開きがあります。

 

その時点から、議員が問題点を検討し、「対案」を作ることは困難だということをご理解いただきたいのです。しかも、議員の中には私のように会派を組まず1人で活動している議員もいます。事業を行うのには当然に予算を伴います。市債で賄うのか、自主財源で賄うのかということは、財政全般に関わることです。そこまで広く考えるのには3週間という時間は余りにも短いのです。だからこそ、「反対」をすることでしか、市民正義(社会正義)を守ることができないのです。

 

よく、理事者(首長)と議会は車の両論と言われますが、共に作っていこうというのであれば、大きな制度変革や仕組みそのものの変更であればあるだけ、議会への提案前に議論を求めるべきです。

 

たとえば、彦根城などの管理についての外部委託先が決定しました。この提案(9月定例会)自体は一般会計補正予算案の一部として提案されたものです。「彦根城の管理を外部委託する」とか「ひこにゃんの管理運用を外部委託する」ということの提案ではなく、「外部委託するための予算」を提案してきたわけです。つまり、理事者側では、「外部委託」は決定済みのことだったわけです。しかも、当初から提案された事項ですから、各議員に配分された30分の質問時間の中でしか発言できないのです。その中で1年前から検討していたというのですから、秘密主義でしかありません。

 

12月定例会での本庁舎耐震化工事についての契約議決や、そのための補正予算案のように「追加議案」であれば、そのことだけで30分の時間(質問時間)があるのですが、数多くの議案とともに提案されれば、外部委託のための議論の時間は限りなく短くなってしまいます。

 

観光都市・彦根の根幹を担っている彦根城とひこにゃんの問題ですから、そのことの是非を議論する場があって然るべきです。

 

車の両論というお題目以前に、議員が慎重に検討できる環境を考慮しない態度からすれば、議会多数派を抑えれば物事が進められるという独善的な手法でしかありません。

 

それにしても、この案件について、最大会派や市長与党会派からは質問も討論もなく、採決において賛成の表明をしただけだったと記憶します。議員としてこれでよいのかと思えてなりません。

 

年が明ければ、今年の2月定例会での当初予算以上の事業削減提案が予想される令和2年度予算案が提案されるはずです。今年2月には、78事業もの削減・縮小でした。1個ずつ取り上げても(30分では)時間が足りません。

 

九州の某市のように、影響を受ける市民はもとより、その予算案を審議する議員に対して、1月中に事業削減の概要だけでも示すために、住民説明会を開催すべきだと思います。

 

 

 



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