11月17日、ひこね市文化プラザで開催されている「ひこね市民大学講座2010 歴史手習塾」に出席いたしました。
今回の講師は静岡大学名誉教授の小和田哲男さんです。先週、今週、来週と3階連続ですが、先週の講座には出席できませんでした。今回の一連の講座は完売だということでした。
ひこね市文化プラザは、運営が財団法人彦根市文化体育振興事業団からNPO法人ひこね文化デザインフォーラムほかに指定管理され、どんどん変貌しています。
ひこね文化デザインフォーラム副理事長で、ひこね市文化プラザ館長の小出英樹さんとは、高校からの知り合いで、NPO法人スミス会議の副理事長も兼ねておられます。先月までは彦根商工会議所の副会頭も務めておられました。
小出さんは1988年度彦根青年会議所の理事長を務められ、その時期に夫が副理事長としてサポートしていましたので、毎晩のようにご一緒させていただいていたことを思い出します。全国規模の「第7回全国城下町シンポジウム」の主管という大事業を前にして、彼のスケールが大きくはばたいた年でもありました。
その記録は「まちづくりゲーム」というシンポジウム記録誌に詳しく掲載されていますが、現在ではテレビやマスコミに引っ張りだこの上野千鶴子さんや涌井雅之さんをパネリストに招いてのパネルディスカッション、周辺イベントとしてのライブ・サーキットではジャズピアニストの佐藤允彦さんや人間国宝の山本邦山さん(尺八)、ジャズピアニストの山下洋輔さん、三宅裕司さん率いるスーパー・エキセントリック・シアター、宗次郎さん、林英哲(和太鼓)など、現在押しも押されもしない方々を招いて立て続けに音楽・演劇が彦根で繰り広げられました。
また、カロム世界選手権やシティ・マラソン(今年の参加者は過去最多の4,159人の参加)、「一家に一艇・ヨット構想」などの企画も手がけられ、バブル経済真っ只中とはいうものの、彦根市の文化創造活動に大きな足跡を残されました。
彼の持つ人脈と先見性は素晴らしいものでした。
それから20年余りがたち、現在はひこね市文化プラザの館長として活躍されています。
「まちの持つポテンシャル」を最大限に生かすことが大切であるという視点は変わらず、「歴史手習塾」も、近江という場所が歴史の交差点であった戦国・江戸時代を切り口として、連続して開催をされています。
更に、城下町という共通項から、先日はオーケストラアンサンブル金沢との文化創造提携をされて、来年1月9日には「新春を彩るウインナーワルツ」と題したコンサートも開催されます。城下町という共通項だけではなく、そこに漲るまちづくりへの想いには相当のものがあると思います。
20年前には、「彦根なんて田舎町にはコンサートも演劇も、大したものは見られない」などという愚痴にも似た言葉が囁かれ続けていました。今後とも市民のために活躍を続けていただきたいと願うものです。
ところで、本年12月26日には「歴史手習塾」の年末スペシャルとして、「歴史学習を現代に活かす!」として、今回の講師の小和田さん、東京学芸大学の大石学さん、NHKドラマ番組部の屋敷陽太郎さんの歴史観エピソードの講座があります。
歴史は過去のドラマ
それは現代を見る鏡です
或いは、将来を考える望遠鏡
このようなコンセプトで住みにくいとも言われる現代を作り替えるきっかけにしたいと思います。
チラシには「History repeats itself」とあります。歴史は繰り返すものです。そこから明日を考えるきっかけを探し出せれば嬉しいものです。
講座を終えて、会場を後にしようとしていましたら、同じく同級生で市役所に勤めているTくんに出会いました。彼が熱く語ってくれたのは「荒神山自然の家」の移管問題でした。滋賀県からの提案と彦根市として受け入れるにあたっての様々な課題を、小雨降る中ではありましたが、しばし聞かせていただきました。11月定例会ではこの移管に関する議論が活発となるでしょう。お聞かせいただいた話をしっかりと胸に、議会に臨みたいと思います。
今朝の新聞報道では、近江八幡市の行政改革推進委員会で「市民がまちづくりに参加する協働の推進に軸足を移す」ように求める提言をしたとありました。彦根市では、ひこね市文化プラザに限らず、まちづくりに市民が積極的に関わっているということをひしひしと感じています。
厳しい社会情勢の中ではありますが、「市民が主役」のまちづくりは一歩一歩着実に進んでいると思います。それであってこそ、市民のニーズに応える市民サービスだと思います。
豊かな感性とそれに対する市民の情熱が「まちを変える」のだと思います。
歴史手習塾にも増して、多くの刺激を受けたひとときでした。