最近、いろいろな問題が生じると「第三者委員会を設置して」と、あたかも当事者とは関わりがないかの如き「報告結果」が公表されています。「都知事の疑惑」「東電原発のメルトダウン」など、充分な調査をしたとは到底思えないことで、当事者の責任を他人に押しつけているように感じられます。
このようなことが続けば、誰も「第三者委員会」の報告を信じなくなるでしょう。もとより、「答えは見えている」と諦めていた人も多かったはずです。
誰しも自らの保身のためとしか思わない「委員会」設置であれば、それは単なるお金の無駄遣いにしか過ぎません。
6月16日の予算常任委員会(この議会から「予算特別委員会」が「常任委員会」に衣替えをしました)でも、国からの指針による「子どもの貧困率調査」事業について質問が相次ぎました。私も、この点について質問すべく準備をして出席しました。委員会審議の前に同僚議員と立ち話をしましたら、彼女も同じことについて質問する予定とのこと。彼女は他にも質問項目があったので、私に譲ってくれたのですが、更に他の議員が私に先立って手を上げたので、重複することから私は発言を控えました。
この調査については、個別の調査をするのかと予想していました。しかし、抽出調査を行うとのこと。その結果は決して実情が反映されるものではないと考えます。
私は決して情報政策に詳しい訳ではありませんし、市役所内部のデータの利用方法を熟知していませんので、可能なことであるのかどうかが分かりませんが、「個別の調査」は市役所内部でも可能だと考えています。
「子どもの貧困率」とは、「17歳以下の子ども全体のうち、標準的世帯の年間可処分所得の半分未満で暮らす割合」と定義されています。
まず、子どもの貧困率を計算するには、17歳以下の子どものいる世帯を抽出(A)します。これは住民データの中で容易に取り出せるでしょう。その上で、これらの世帯の中から国民年金世帯を抽出するのです。厚生年金世帯の多くは標準的と呼ばれる以上の収入があるはずです。もちろん、厚生年金世帯であっても、「貧困」に該当する場合もあるでしょうから、最初からオミットしてしまうのは問題かもしれませんが...。
そして、世帯の収入は税務課のデータにあるでしょうから、(A)の中の収入を「個別に」書き出し、平均を出す。そして、可処分所得を計算して、半分未満に該当する世帯をカウントする。このような方法で、市役所内部で終結することが可能なのではないでしょうか。
全国各地で、国からの補助金を利用して、このような調査を外部委託するのであれば、滋賀県は全国の1%。彦根市はその10%ですから、全国で60億円程度の費用になります。このお金でどれだけの貧困家庭を救えるでしょう。
「第三者委員会」にしても、「貧困率調査」にしても、お金の使い方に疑問を抱くのは、私だけでしょうか。たぶん、「国からの補助金を、現実の施策に使いたい」と考えている、直接の担当者は決して少なくないと信じたいものです。