各地の首長選で候補乱立ともいえる状態が続いています。
昨年11月の市川(千葉県)市長選では5人が立候補し、結局、誰もが法定得票数(有効投票数の4分の1)を獲得できず、再選挙が行われますが、その日程も決まらず(11月の投票結果に対する異議申立の結論が出ないため、日程が決められない)、市政の混乱が続いています。
他にも、昨年1月の西之表市(鹿児島県)で6人が立候補し、同じく法定得票数を獲得できず、3月に再選挙となり、その時は候補者が4人となって、ようやく市長が決まりました。
もちろん、東京都知事選(小池知事が当選した選挙)には21人もが立候補したのですから、候補者の数からすれば、これらの比ではありません。
今度は、1月28日の岐阜市長選には7人が立候補します。こちらも再選挙の可能性が既に取り沙汰されています。
では、市川市長選を見たとき、その投票率(11月)はどうだったでしょう。投票率は30.76%だったとされています。つまり、3人に1人しか投票していないのです。投票率が下がれば法定得票数も下がるわけで、そのような中にあっても有効投票数の4分の1ですから、わずか7.69%の得票すら得られなかったということだったわけです。これで有権者の信任が得られたというのもある種、不合理かも知れませんが、ルールですし、例えば法定得票数のハードルを引き上げれば再選挙の連鎖に繋がることになって、選挙費用の無駄(市川市長選では1億円とも言われています)が生じ、候補者にとっても再選挙の度に選挙費用がかさんで、お金のある人しか立候補できなくなってしまいます。
さて、彦根市ではこれまで最大何人が立候補したのかと調べてみましたところ、平成21年4月の選挙に5人が立候補したことがあります。このときの数字を見ますと、当選した獅山市長(当時)は投票総数の25.26%(有効投票数に対してではありませんので、正確にはもう少し高いはずです)の得票で再選され、次点の大久保候補(現市長)との得票差は39票と、本当に僅差だったわけです。この時の投票率は44.89%で、その前の市長選(平成17年)の47.19%よりも下がっています。候補者が多ければ投票率が上昇するというものでもなさそうです。
選挙費用は民主主義の経費とも言われますが、それは多くの有権者の投票行動があって言えることで、低投票率であれば、その言葉も空虚に聞こえます。
有権者の1票1票の積み重ねが当選した候補の力になるのです。特に議員選にあってはその現職候補が議会でどのような活躍をしたのか、新人候補であればその訴えが市民のための方針なのかを見極める必要があると思います。
議会は二元代表制の象徴であり、行政へのチェック機関としての役割を担っているのです。その判断指標は議会での発言であり、そしてその発言の中身だと思います。http://www.city.hikone.shiga.jp/category/9-22-17-0-0.html
録画配信や会議録で発言を確認して、有権者としての判断材料としていただきたいと思います。